2002

スパイダーマン Spider-Man

蜘蛛男・・・だと江戸川乱歩か

CGによるアクションは重力感がなくて笑える、これはいつまでたっても変わらない

口が開きっぱなしの中腰で飛ぶ敵がちとマヌケだったが
ウイレム・デフォーはやっぱりいい悪役

お話は全くのテンプレ だがそれぞれの歯車が無駄なく動いて完璧
クライマックスもエンディングもわりと地味だった

⭐7/10

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 The Lord of the Rings: The Two Towers


男たちは怒り、戦う 女子供は弱い、白馬、杖を持った長髪の老人、お姫様…
古い、価値観が古すぎる、こんな定番ものをベタにストレートに出されても感動なんか
出来るわけがない、と呆れたが大ヒットしたなあ…歴史は繰り返すか

⭐6/10

マイノリティ・リポート Minority Report

スティーヴン・スピルバーグ
トム・クルーズ
フィリップ・K・ディック

皆さんどんどん事件起こして我々の出番を作ってください、といわんばかりの無駄にかっこいい警察の設備、装備

ジョン・ウィリアムズの音楽はあまりにも古典的過ぎて、未来志向ビジュアルにそぐわない気がした

ダシール・ハメット、アーサー・コナン・ドイル、アガサ・クリスティ

原作ではトム・クルーズのキャラはチビ、デブ、ハゲらしい

2054年4月の設定

9/10

リベリオン Equilibrium

ダークなゴシック・ディストピアも
イケメン・キャラが苦悩すれば耽美的パラダイス

マンガのようにハンサムなクリスチャン・ベイル、夜行性、嫌光性のように青白い
マトリックスのキアヌ・リーヴス風の東洋的装い

戦闘シーンが笑えるほどかっこいいが、
リアリティ皆無で「そんなに見てくれだけでいいのか!」と映画とは言えツッコミたくなる

6/10

アクションシーンでワイヤーは使われていない

都市のデザインはヒュー・フェリスの作品に影響されている

子犬はバーニーズ・マウンテン・ドッグ

2072年の設定

アバウト・シュミット About Schmidt

キャシー・ベイツ

保険会社を定年退職したシュミットさんは、娘が結婚することになり、奥さんが急逝して、心に
ぽっかり穴が開いて・・・よし、キャンピングカーで自分探しの旅に出よう!という人間ドラマ

名優ジャック・ニコルソンの主演だが、この作品では、彼自身のキャラクターと
脚本で求められているものとに、どうも埋められない溝があったように思う

「自分の存在の無意味さ」みたいな中途半端な悟り、哲学っぽい事を語ったり、
星空の下で、死んだ奥さんに(心の中で)しみじみと語りかけるジャック・ニコルソン、
というのは、どこか猫かぶりしているような違和感があった

7/10

めぐりあう時間たち The Hours

エド・ハリス(エイズ患者)

おしゃれ文芸ドラマ

時間を「たち」とする違和感

内容もセリフも音楽も非常にロマンチックで女性向けだと思われるが、監督、原作、脚本などは
全て男性だった

「バージニア・ウルフなんかこわくない」という作品もあるが
この作品での彼女(煙草の吸いすぎらしくかすれ声で話す付け鼻二コール・キッドマン)
は怖かった

6/10

ニコール・キッドマンがバージニア・ウルフの個人的書簡をすべて読むと、それらの方に彼女の小説よりも彼女の人柄に近づく道を多く与えられた。

駅の場面はレスターシャーのラフバラー駅で撮影 本物の1920年代の列車をワイト島から運んできて使用

エデンより彼方に Far from Heaven

なんだこの邦題は
なんだこのポスター

エグゼクティブ・プロデューサー:ジョージ・クルーニー
音楽:エルマー・バーンスタイン
衣装:サンディ・パウエル

デニス・クエイド(ダンナさん)

動く海外版婦人画報、婦人公論、美徳のよろめき

ダンナさんの秘密(浮気)がばれてしまう場面はまさに
「崇高と滑稽は紙一重である」そのもの

6/10

キャビン・フィーバー Cabin Fever

伝統的な少人数感染ホラー

B級らしいチープさを逆手に取った勢いや弾けた感もなく普通の量産型

きれいなお姉さんたちがいて演技も真剣で、デジタルであまりいじられていない自然豊かな映像などは良かったが、これといった特徴は全くなし

続編やリメイクがあるのでそれなりのヒット作ではあるらしい

5/10

ボウリング・フォー・コロンバイン Bowling for Columbine

この映画の後、銃犯罪は減ったのだろうか

どんな悲惨な事件であってもジャーナリスト側にとっては
ビジネスチャンス、という事実が悲しい

銃はアメリカの伝統だというが、それを日本に当てはめると
今でも刀振り回して?・・恐ろしすぎる

マリリン・マンソンが予想外の落ち着いた口調のジェントルマンで笑った

10/10

クリス・ロック:「銃は規制しなくていい。弾丸を規制しよう。弾1発5000ドルにしよう。」

カナダ人:「銃が多いほどより安全になるのなら、アメリカは世界で最も安全な国のひとつだろうにそうではない、正反対だ。」

28日後... 28 Days Later...

ゾンビという実に使いやすい敵

コントラストきつめの画面が美しい
全体的にアート系 体温低め イギリス製のせいか

都市部での襲撃の合間に優雅に田園観光

長いシリーズものの一部を切り取ったような端折り感、詰め込み過ぎ感

終わり良ければ総て良し 的なさわやかさ

続編が「28週後...」普通に考えると、さらに次は「28月後...」か

路上に他の車が走っていない場面はデジタル処理かと思ったら、実際に道路を封鎖したらしい

28 days という日本未公開のコメディ映画もあるらしい

6/10

マグダレンの祈り The Magdalene Sisters

ノラ=ジェーン・ヌーン、アンヌ=マリー・ダフ、
ドロシー・ダフィ、アイリーン・ウォルシュ(マグダレン・シスターズ)

ハリウッドのブロックバスターの対極にあるような、告発、問題提起的な作品

女性(シスター)ばかりの生活で、私語は禁止、規則に違反すると鞭打たれたり、
お尻を叩かれたり、挙句の果てに、髪を刈られてしまったりする

主演女優たちが若いのに感心な安定した演技でそれぞれ熱演しており
21世紀の作品とは思えないほど真摯な、イギリス、アイルランドの底力が感じられる作品だった

8/10

シティ・オブ・ゴッド Cidade de Deus

凄い 激しい
もはや先進国において、少なくとも映画俳優などには見られなくなった、
ギラギラとした野性味が全編に充満していた

いわゆる「ストリートの現状」を忠実に描いたのだろうけど、
年齢制限などが厳しくなった今では、評価が真っ二つに分かれそうなほど、
ストレートな暴力描写が炸裂していた

一時期随分と見たが、この作品も、時間を複雑に行ったり来たりする
あと、対象を中心にぐるーっと円を描くように捉える「マトリックス」みたいな
映像もあったりした

後から知ったが、70年代が舞台だった

「ベジタリアンをどう思いますか?」と聞いてみたくなった

8/10

トーク・トゥ・ハー Hable con ella

監督・脚本:ペドロ・アルモドバル

なんだこの邦題は? なぜわざわざ英語、カタカナに?

この監督の作品はほとんどそうだが、これも女性が主体の、かなりウェットな人間ドラマ

やっぱりヨーロッパ映画は、色彩が違う
スペインの現代の街並みも、女闘牛士も、病院内の風景も
何か明るい。国自体はそれほど盛り上がってはいないと思うが
「腐っても鯛」でうらやましく思った

カエタノ・ヴェローゾの歌はそれほどとは思えなかった

6/10

イン・ディス・ワールド In This World

誠実な態度で、何かを訴えようとしているのはわかるが
ひとつのエンタメとして、まったく面白くなかった

5/10

HERO 英雄

楽しかった…
中国四(三,五?)千年の歴史も、もはやカートゥーン、マトリックスと化した

美しい舞台(砂漠、城、寺、林・・・)で
美しい衣装(ワダエミデザイン、白、赤、黒、緑、青・・コンセプトはっきり、黒澤明の「乱」と同様)をはためかせて
役者達は、飛びまくり、回りまくり、刀をキンコンカンコンと
振りまくる

紙芝居並にシンプルなストーリーは、あってないようなもの

あまりのビジュアル優先ぶりに少し笑ってしまえたりもするが、
ジェット・リーをはじめとする主演者たちに、それに拮抗できるだけの
貫禄があって、説得力のある作品に仕上がっていた

9/10

自己の世紀 The Century of the Self

計4時間の大作

主要人物として登場するフロイト、エドワード・バーネイズは、あ~やっぱり…のユダヤ人

「策士策に溺れる」とか「ミイラ取りがミイラに」などの言葉を贈りたい、と思った

7/10

仄暗い水の底から

鬱々として、どんよりと暗い
そんな和風テイストホラーならではのムードは抜群だったが、
話があっさりしすぎていて、もうひとひねり欲しい気がした

原作は未読なので、どの位忠実なのか知らないが、
怨念による超常現象、みたいのは定番すぎて・・・

もっとも、それしかやりようがないのかもしれない
厳密に科学的な事を期待したら、このジャンルは一作も作れなそうだ

ラストのスタッフロールにおけるスガシカオの歌がやたらとさわやか
しかし、この映画に、という必然性は全く感じられず

7/10

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