2000

映画

グラディエーター Gladiator

グラディエーター Gladiator

監督:リドリー・スコット
音楽:ハンス・ジマー

ラッセル・クロウ(グラディエイター)

すごい。映画とは言え、基本的な精神性が現在の先進国の状況よりかなり気高い
かなり理想主義的だがさすがベテランのこの監督だけあって、うまく表現できていたと思う
この重厚さ、真摯さは貴重だ

絵に描いたような悲劇の英雄、こういう役を嫌味にならずに演じられる人は
今後ますます減りそうだが、ラッセル・クロウは中々の名演だった

デジタル処理がなされていたけど、広々として美しい自然の光景、壮大なアリーナ
日光と砂をバックに黒光りする鎧兜が上手く映えていた

反対に森の中での集団バトルのシーンは泥にまみれ、リアルになればなるほど見難く
いい映像で捉えるのは難しいと思った

グラディエイターをひたすらヒーロー扱いでなく、敵役の姉妹との微妙な三角関係で描いて
上手く緊張感を保っていた。半ばで皇帝になるコモダスを演じたホアキン・フェニックスは
すねた感じを上手く出したかなりの名演だったと思った

その彼との遺恨を深めて行き、最終的に白黒(コスチュームも)つける決闘へ、
という香港カンフーを思わせる伝統的な展開
楽しかった

⭐7/10

アメリカン・サイコ American Psycho

サスペンスの皮をかぶったコメディ
ドラマに見せかけたクリスチャン・ベイルのプロモビデオ 
1980年代アメリカ風俗サンプル映像

魅力的なテーマなのに竜頭蛇尾で惜しい

原作も有名らしい

⭐6/10

クリスチャン・ベイルのシャワーの場面の撮影では現場の女性全員が見学に来た

楽曲の使用権に最もお金がかかった

ダンサー・イン・ザ・ダーク Dancer in the Dark

主人公が次々と、これでもかと言わんばかりに被る不幸の数々が
あまりにもテンプレ過ぎて、かわいそうという気は全く起きずに
かえって笑ってしまった

ミュージカルシーンの夢のある幻想性を対照的に生かすためだろうが、
これほどゴリ押しするとは、脚本も書いている監督のラース・フォン・トリアーさん、
よほどひねくれた怖いお方にちがいない

鉄橋を渡る列車のシーン
コントラスト強めの映像美にビヨーク自身の物悲しい音楽が加わって、
えもいわれぬ耽美の極み、ゾクゾクさせられた

⭐1/10

ラース・フォン・トリアー曰く、毎朝撮影前ビヨークは「フォン・トリアーさん、あなたを軽蔑します」と言って彼に向って唾を吐いた、らしい

スナッチ Snatch

これと「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「トレインスポッティング」の記憶がごっちゃになっている
ま、似たような感じのワル、犯罪モノ
イギリス製らしいハリウッドとは違う魅力、良い意味での地味さ、重さ 

⭐5/10

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の大ファンのブラッド・ピットは、ガイ・リッチー監督に近づきこの映画の役を求めた。
ピットがロンドン訛りをマスターできないことがわかったリッチーは、彼にミッキーの役を与えた。

「ファイト・クラブ」の撮影を終えたばかりだったブラッド・ピットは、この映画のボクサーの役を、似たようなものなのでやりたくないと初めは考えた

トラフィック Traffic

手持ちカメラ風のドキュメンタリー調の映像や、無機的なアンビエントの音楽などで
一見クールでオシャレな作品に見えたが、
中身は実に綿密に計算、構成された、凝ったものになっていた

ドラッグ問題をとりまく、
人(売る、買う、取り締まる、それぞれの家族、友・・・)と
場所(メキシコ、オハイオ、サンディエゴ・・・)
の様々な「トラフィック」が淡々と、しかし丹念に描かれている

だが全体的には淡々とし過ぎていて、感動にまでは今一歩至らなかった気がした
題材が題材だが・・・

この問題も息が長い、メキシコはますますヒートアップ

⭐5/10

「ウェイクフィールド」のストーリーは、悲しく憂鬱な感情に合わせた、冷たく青めの色彩。
「アヤラ」は、ヘレナの上っ面が派手な生活に合わせた、明るく晴れやかな飽和した原色、特に赤。
「メキシカン」は、ごつごつしたメキシコの風景と密集した都市に似合う、ざらざらとして荒い熱さ。

ティフアナでのシーンはすべて手持ちカメラで撮影された

レクイエム・フォー・ドリーム Requiem for a Dream

邦題が、そのままカタカナにするだけなら aを抜かなくても・・・
ドラッグ状況について少し勉強になった 

多少緊張感のあるアート系、レクイエムだけに明るくはない 評論家受けしそう あざとさ(ドラマのための中毒者、悲惨さ)も感じるけど

ジェニファー・コネリーが、いい具合に枯れてシュッとしていた

⭐5/10

極端に短いショットを連続させて中毒の圧倒的な制御不能な雰囲気を出している

メメント Memento

監督、脚本:クリストファー・ノーラン

凄い映画だ・・・

記憶に障害のある一人の男の行動が、
「ええと、つまり、だから、例えば、やっぱり、まあ、しかし、結局、人生とは・・・」
みたいな、行きつ戻りつな展開で、カラーとモノクロを交えつつ、延々と描かれていく
難しかったが、見終わった後味は非常に良くて、また見たくなる

主演のガイ・ピアースは
トム・クルーズとブラッド・ピットとヴァル・キルマーを足して3で割ったような
感じで、上質そうなスーツが良く似合っていた

・・・しかし、ある男を殴ってクローゼットに閉じ込める。直後に記憶が飛ぶ
クローゼットを開けてその男に、「一体誰にやられたんだ!」
というのは、ギャグそのものだった。
やられたほうも「お前・・・だろ?」とか言って

⭐8/10

アモーレス・ペロス Amores perros

愛の犬

凄い・・・
力作だ

「いつかギラギラする日」という邦画が昔あったけど、
この作品こそギラギラしている

ストーリーはわりと複雑で、あまり軽快でも痛快でもないが、昔の純文学のような幅と厚みが感じられ
役者さんたちも、養殖ではない天然もののようなリアルさで皆、熱演していた

時間を行き来する知的ギミックもあったけど、
嫌味がなく、かなり感心させられた

⭐8/10

グリーン・デスティニー 臥虎藏龍

チョウ・ユンファはかっこよくチャン・ツィイーもかわいい

演技もシリアスで風景も美しいが、何となく軽いコスプレ感

ベタな人物設定で話の構成もダルい

ワイヤーで吊られて飛びます飛びますのアクション、いかにも振り付けな中華チャンバラは完全にお笑い

5/10

監督のアン・リー曰くこの映画は「おそらく実在はしなかった夢の中国」

ヤンヤン 夏の想い出 Yi yi

歌うスタジオ、じゃなかった

台北の、ある家庭を中心とした人間ドラマ
3時間近くある長編で、「淡々と描く」系

台北がこんなに南国情緒豊かな土地だとは知らなかった
作品中に出てくる日本(東京、熱海)よりも広々としていておしゃれ、だったと思う

ただ、ヨーロッパ以外のどの国でも「発展」と言えば「西欧化」
で、アジア人である事を必死で忘れようとしている気がして、
少し淋しく感じた

でも日本がその先駆けだったか・・・

イッセー尾形が出ているが、そのまま「イッセー尾形」だった

7/10

花様年華

フアヤンニァンフア 花のような恋

オシャレだが、キザったらしくてテンポが遅く、狭苦しくて暗くて重くて湿度が高そうでうんざりした
この監督(ウォン・カーウァイ)の得意技の、同じ曲を繰り返すサントラもダルい
トニー・レオンは相変わらずナイスガイ

In the mood for love ・・・イヤだなあ、こんなムードは

2/10

バトル・ロワイアル

原作: 高見広春

銃で殺し合いをする中学生、という基本テーマがフィクションだとはいえ、
陰険陰湿すぎて胸が苦しい
だが、神風特攻隊や人間魚雷などを本気で実行していた過去の日本を考えると、案外ありえるかも、という怖さ

柴咲コウの短パン姿

荒唐無稽さを生かしたアクションは楽しかったけど人間ドラマが超ウェットでクサすぎる

⭐6/10

供給された武器:
ウージー・サブマシンガン、拳銃、鎌、スパス12・ショットガン、ヌンチャク、スタンガン、ナイフ、手斧、クロスボウ、脇差、シアン化カリウム

武器以外で供給されたもの:
拡声器、電子首輪型追跡機、団扇、鍋のふた、双眼鏡

比呂乃の武器がブローニング・ハイパワーからコルト・ガバメントに変わる

ロケ地の一つ:八丈小島

nmap

ホンダ・アクティ

ラマになった王様 The Emperor's New Groove

ほんとに何なんだこの邦題は? まちがってはいないが・・・

The Emperor's New Clothes のもじりらしいが、これの邦題が「裸の王様」だったとは知らなんだ

ノリが良くて楽しい groovy だ
ドタバタで突き進むかと思ったら、人情パートも充実していた
とことん楽天的でポジティブな姿勢は見習いたい

8/10

舞台はペルー

妊婦が出てくる初のディズニーアニメ

バンパイアハンターD Vampire Hunter D: Bloodlust

特濃欧州古典浪漫 + デジタルマッチョサイバーパンクSF

映像はかなりアーティスティック 緻密で陰影、奥行きがある
大画面3Dで見たくなった

(梶芽衣子 + デューク東郷) / 2 風のD
全身黒ずくめ マントをはためかせ馬で疾走する様は決まっている
帽子をかぶったまま寝るという隙のなさ

ボソボソ喋りのキャラばかりでお話はあまり盛り上がらない 
全体を貫くうねりは感じられなかった

7/10

風を見た少年

原作:C・W・ニコル
声の出演:安達祐実

どうしようもなかった…
全てが既視感 個性や独創性ゼロ
「こんなので小説家を名乗るな、ウェールズへ帰れ!」と言いたくなるほど陳腐なストーリー

3/10

One Up on Wall Street


ウォール街の人にしてはかなりまともで常識的な内容
基本的に二昔くらい前の話題で、古き良きアメリカが感じられる

投資の役立ちtipsが載っているが、数が多すぎ、互いに矛盾するものもありそうで
覚えきれない…

長期的、歴史的な洞察はさすがにベテランらしく深い

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