1949

映画

オール・ザ・キングスメン All the King's Men
頭上の敵機 Twelve O'Clock High

オール・ザ・キングスメン All the King's Men

原作:ロバート・ペン・ウォーレン

ひたすら重く地味だが充実している政治ドラマ
主人公は強欲だが熱血、雄弁で、今の二世や世襲が多数の政治状況からすると新鮮でそれほど悪人には見えない

当時のトレンドなのかやけにダボッとして太いファッション 男性の帽子
タバコ、酒も特に非難されず

汽車に乗る記者

オチが、やっぱり、結局これか・・・という切なさ

リメイクされた

All the queen's men という映画もやっぱりあった 邦題は「エニグマ奪還」

⭐7/10

頭上の敵機 Twelve O'Clock High

戦争ものだが、アメリカ製にしては珍しく、戦後わりとすぐの作にもかかわらず、しかも冗談のようにカッコいいグレゴリー・ペックの主演なのに、単純なイケイケヒロイズムではない人間らしいひねりがあって驚かされた

地上での人間ドラマが大半で地味だが、その分クライマックスには、いよいよ出撃という悲壮感があった

 劇中に音楽がなく、空中戦では飛行機の禍々しい重低音のみ、というのも緊張感があった

⭐8/10

アダム氏とマダム Adam's Rib

多少気を利かせた邦題

ニューヨークの街頭にデジタル表示の時計
フェミニズム的なものがすでにあった

当時の上流ファッション、インテリア博覧会

美人だが硬くて強そうなキャサリン・ヘプバーン

おしゃれなセット、ウィットの利いた会話で話が進むが、喜怒哀楽が少し強引すぎる
いかにも脚本という感じ

⭐7/10

スペンサー・トレイシーはクレジットのトップにこだわった。プロデューサーに「レディ・ファースト」を聞いたことがないのか?と聞かれると
「これは映画だ、救命ボートじゃない。」と答えた

第三の男 The Third Man

オーソン・ウェルズ(ハリー・ライム)
ジョセフ・コットン(彼を訪ねてきた友人、作家)

この二人は「市民ケーン」でも共演していた

現代の作品にはない渋さ、重めのムードが
「フィルム・ノワール」という言葉を体現していた

それとは非常に対照的なほのぼのとした響きの
テーマ曲のチターが印象的だった

⭐8/10

人物たちの不安や緊張を表すために斜めのアングルをあえて多用

オーソン・ウェルズの登場時間は5分だけ

野良犬

映画ファンだったという当時の長嶋茂雄氏:「のらけんはいい」

黒沢=三船 ゴールデン・コンビ

⭐10/10

テレビドラマ版(2012年)もあるらしい

「野良猫」という映画もある

The Lead Shoes

まったく意味不明なアート系実験作 歪曲収差レンズを使用とのこと
何がどう評価されたのかわからない やったもん勝ちの道楽

⭐4/10

音楽

バッハ:平均律クラヴィーア曲集 Das Wohltemperirte Clavier

ワンダ・ランドフスカによるチェンバロ版

チェンバロという楽器の音色が濃すぎて、高音は華やかで輝かしいが、
低音は濁りまくって「フーガもクソもない」という感じで聞くに堪えない

バッハはこの楽器で日々作曲演奏していたのだろうか?
どういう耳をしていたんだ…いや聴覚を気にしなかったから
あれだけ量産できたのか?

1984

ノスタルジー、年の差ラブ、素朴でも健康的な人々…などのほのぼの要素で途中油断させつつも、ほぼ全編重く、胸糞悪い

ビッグ・ブラザー側がオラオラと、か弱い個人の主人公をとことんいたぶるところの
筆が生き生きと進みまくっていて、ナチス崩壊後の次なる絶対的権力の組織を、
苦悩する振りをしながらニヤニヤを隠し切れずに待望している感がありあり

特定の層をターゲットに、低俗で下品なエンタメを真面目に量産したり、
略語を多用して連呼し、意味を悟らせないまま強引に世間に浸透させるというのは現実社会に正式採用された手法らしい

コメント