1966

映画

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 Il buono, il brutto, il cattivo
バージニア・ウルフなんかこわくない Who's Afraid of Virginia Woolf?
憂国

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 Il buono, il brutto, il cattivo

The good the bad and the ugly full movie ( Clint Eastwood) - YouTube

監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ

マカロニ・ウェスタン三部作の最終作
日本の時代劇のような典型、マンネリズムの美学
男(善)、男(悪)、男(醜)の世界
「ホェホェオー」みたいなテーマが耳に残る コヨーテの鳴き声を模したものらしい

7/10

バージニア・ウルフなんかこわくない Who's Afraid of Virginia Woolf?

原作:エドワード・オールビー

エリザベス・テイラー、リチャード・バートン(中年夫婦、招く)
ジョージ・シーガル、サンディ・デニス(若夫婦、招かれる)

中年夫婦と若夫婦。舞台はほとんど室内劇
エリザベス・テイラーが迫力あるオバさんを堂々と演じている
シニカルな会話の面白さで見せるが、字幕でもなかなか笑えた
やっぱり昔から女性は、特にオバサンは強かった

タイトルのココロは何だろう?(WHO'S AFRAID OF VIRGINIA WOOLF?)
「3匹の子ブタ」の「狼なんかこわくない(Who's Afraid of Big Bad Wolf)」
のもじりである事はわかるが・・・ヴァージニア・ウルフはこわい人だったのだろうか?

7/10

華氏451 Fahrenheit 451

Fahrenheit 451 (1966) - Full Movie

原作:レイ・ブラッドベリ
脚本、監督:フランソワ・トリュフォー

ディストピアもののSFだが、表現したい内容に映像がついていけずいろいろ大外れ
焚書というのもさすがに過去の遺物でチグハグ
話とは裏腹にまったりこじんまりとした風景に癒される

5/10

アルジェの戦い La battaglia di Algeri

アルジェリアの首都アルジェ

この問題も息が長い デモの群集など現在と変わらない光景

モノクロ 当時の風景が美しい 
が、密集する建物の中は石造りで頑丈そうだが、風通しや採光が悪そう 

全体的にそっけない造りが生々しく、インディーズ風でいい
アラビア側の役者たちの素人くささも緊張感アップに貢献 

ギロチンがまだ使われていた

モリコーネの音楽がいかにも だが打楽器中心の部分は一気に現代的に

8/10

欲望 Blowup

何だこの邦題は?

ビートルズなどで、おそらく一番盛り上がっていたであろう頃のロンドン
が舞台だが、静かな雰囲気だった
カメラマンという職業がセレブ化しはじめた頃か

音楽をハービー・ハンコックが担当している
が、かなり控えめでファンとしてはちょっとがっかりした

blow up = 写真の拡大

同じ題の邦画がある

1/10

ジミー・ペイジとジェフ・ベックがいた頃のヤードバーズの演奏

男と女 Un homme et une femme

監督・製作:クロード・ルルーシュ
音楽:フランシス・レイ

絵に描いたようなラブロマンス
お互い子供がいる「男と女」が出会い、育んでいく愛の軌跡

全体に漂うヨーロピアンなオシャレなムードがたまらない
女のファッションやヘアスタイル、男の仕事がカーレーサーであることなども
当時の最先端だったと思われ、日本のトレンディドラマなどを含め、
後世に与えた影響は大きいと思った

山崎努に顔の骨格が似た感じのアヌーク・エーメは、はっきりとした美女で、よくわかったのだが
「男」のほうが、それほど美男でもなく、ブサイクでもなく、といった焦点が絞りきれてない
感じで不可解だった

「ダバダバダ・・」のテーマ曲も、このまったりと落ち着いたアンニュイさは
今ではどこへ行ってしまったのだろうと、時の流れを痛感した

8/10

アンドレイ・ルブリョフ Andrey Rublev

Андрей Рублев. Серия 1 - YouTube

Андрей Рублев. Серия 2 - YouTube

監督、脚本:アンドレイ・タルコフスキー

予想通りこの監督らしく地味で淡々とした大作だが
まったく古さを感じさせない

没入し浸れる ゆったりと時間が流れる 一つの体験

モノクロだが広がり、奥行きが感じられる映像美

8/10

ひなぎく Sedmikrásky

60年代らしいカウンターカルチャー5% + パーソナルな最右翼ガーリーワールド95%
精神性を10年ぐらい先取りしている

別に起承転結がなくてもいい、
カワイイ女の子がかわいくしてればそれで充分、的な進行

主人公のペアが痩せ過ぎずムッチリしていて健康的でよかった

こんなにキュートでキッチュでヒップでシュールな映画を作ったのはもちろんアメリカか?イギリスか?
しかし言葉が英語ではない、ではどこか?・・・
チェコスロバキア?!、これは想定外だった

9/10

不貞を描いているとして公開当時チェコ当局に禁止された

Cicero March

まさに「一触即発」な緊迫感
だがなんとなく前向きなエネルギーが感じられて心地よい
「お互い言いたいことは言おうぜ」的な

8/10

Castro Street

早い者勝ち的なアヴァンギャルド 
オーバーラップする映像
10分で終わりで良かった

2/10

東京流れ者

監督:鈴木清順

カラフル任侠
色にこだわったらしいが、フィクションとはいえ作り物感が強烈
主人公(錦織圭、いや渡哲也)が空色のスーツで正座しちゃったりする
まるっきり欧米風のバーで、ド短調の重苦しい音楽
戦後日本の和洋折衷の混乱の魅力か

7/10

他人の顔

 The Face of Another (Tanin no Kao) 1966 eng, thai sub - YouTube

原作、脚本:安部公房

知的だが不健康な昭和の文学ど真ん中
当時の風景真空パック

顔包帯のコート姿は不気味でおしゃれ

あごひげサングラスの仲代達也が妖しくてかっこいい

西内まりやに似たかわいい人(入江美樹)

7/10

白い巨塔

この主人公は、野心があるが技術もありハンサムだった
これが、野心だけでテクもなくブサイクだったら…フィクションで良かった

主演の田宮二郎さんは晩年精神を病み「白いきょとん」と呼ばれていたらしい

7/10

けんかえれじい

監督:鈴木清順

学園バンカラ熱血コメディ

高橋英樹がかわいくおかしい
口調もハキハキでいい

リアリティはないがカラッと明るく粋なコント

テンポはいいが、いきなりシリアスになったりして
ドラマとしては深みがない

6/10 

大菩薩峠

 
主演:仲代達矢、三船敏郎、加山雄三
 
ある種のスタイルや映像美最優先らしく、美しいが全体的に少し硬い 
 
仲代達矢はまさに当たり役
掴みどころのない不気味な存在感、催眠効果のある落ち着いた口調が狂気の剣客にぴったり
 
タイトルはほぼ関係なし 
 
クライマックスのバトルは中々すごい
 
 8/10

「エロ事師たち」より 人類学入門 

The Pornographers : Shohei Imamura : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

原作:野坂昭如 

エロ事師は勤勉なお父ちゃん 職業に貴賎なしで家族を支えるためにがんばる

断片的なエピソードが積み重なって大筋が展開されていく連続テレビ小説、昭和のホームドラマ風

今村昌平らしいリアリズムだが、コテコテの関西弁でほのぼとした人情味

8/10

赤い天使

Red Angel (1966) : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

極限的状況(日中戦争最前線)でもどっしり構えて動じない美人看護婦(若尾文子)は確かに天使、落ち着いたナレーションも頼りになる

きれいごと抜きで現実的、実際的に対処する様がほぼポルノのところもあるがいやらしくない

それゆえ上官とのロマンスは、いかにも脚本上の要素という感じでやや唐突な気がした 

モノクロなので戦場のどぎつさがまろやかに 

邪魔にならず絶妙な音量で鳴る音楽もよかった

なぜ「赤い」のかはわからなかった…

7/10 

憂国

Yûkoku / Patriotism (1966) (Full Film HQ / ENG subs) - YouTube

原作、脚色、製作、監督、主演: 三島由紀夫 

モノクロ、サイレントの短編

クーデターに失敗し国を憂える軍人夫妻 

残念ながら三島氏はこの役で主演するには体格が貧弱過ぎた 白無垢姿の奥さんよりも見劣りがする

基本は能らしいが、軍服や鳴りっぱなしの音楽(ワーグナー)は西洋でチグハグ

ふんどし、軍帽、刀の丸っきりゲイなポーズ

「至誠」の掛け軸

大がかりなジョークなのか、とも思うが、数年後の本人のリアルな行動を考えると…わからない 

⭐2/10

音楽

"Reach Out I'll Be There"

イントロのフルートが美しい
勇気づけられるような歌詞に力強いボーカル
コーラスとの掛け合い クサ過ぎずユニークな曲調
確かにこれはソウル

エリナー・リグビー Eleanor Rigby

ビートルズとしては「イエスタデイ」に続いてのストリングス導入か
良い意味での暗さ、2分ちょっとという無駄のない端正さ、
これぞエゲレス

「グッド・ヴァイブレーション」(Good Vibrations

「ビーチ」らしからぬ繊細なサウンド
幾重にも重なるコーラス(グーッ、グーッ、グーッ♪)
複雑な進行 凝ったアレンジ

ビーチ・ボーイズを聞くと、逆にビートルズなどのイギリスもののタフさ、
ハードさに気づいて驚かされる

It's a Man's Man's Man's World

「おとこの、オトコの、男の世界」
最後まで聞くか、歌詞を確認しないとフェミナチに攻撃されそうなタイトル
イントロは丸っきり日本の昭和のアニメか時代劇のサントラ

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