1956

赤線地帯

映画

禁断の惑星 Forbidden Planet

「裸の銃(ガン)を持つ逃亡者」のレスリー・ニールセンがシリアスな司令官役

「中の人ごくろうさん」と言いたくなるのっそりもっさりロボット「ロビー」がかわいい
重々しい口調が似あってなくて笑える

女性は脚線美が色っぽい超ミニスカコスプレのキューティーブロンドがひとりだけ
ポスターのシーンは出てこなかった…

初期の電子音、レーザーを表す特殊効果などが
地味だが味がある

今のNASAやスペースXなどの現実もいいが、
こういう古典的なSF世界観も夢があって楽しい

⭐7/10

80日間世界一周 Around the World in Eighty Days

原作:ジュール・ベルヌ
音楽:ヴィクター・ヤング

デヴィッド・ニーヴン(英国紳士フィレアス・フォッグ)
カンティンフラス(召使パスパルトゥ)

原作はフランス人で、製作はアメリカだが、
ビートルズの「ヘルプ」や007シリーズのようなイギリス伝統の諸国漫遊もの

色々な国(スペイン、インド、香港、日本(鎌倉の大仏)、アメリカ・・・)を、
色々な乗り物(気球、船、列車、ダチョウ力車・・・)で巡り、
色々な動物達(牛、象、ロバ、猿、バッファロー・・・)が出てくる

豪華絢爛な作りだったけど、一本の映画としては、かなり大味で盛り上がりに欠けた、と思う

ストーリーと全く関係ないところで情熱的なタップを決める
スペインのフラメンコ野郎が一番盛り上がっていた・・・

一日で世界一周、Around the World in a day というプリンスの曲があったなあ

7/10

ジャイアンツ Giant

長い もろにアメリカン 大河ドラマ

「ジャイアント」でいいのにと思う

エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、ジェームズ・ディーン・・・出来すぎなほどの美男美女が皆はまり役

7/10

レズリー・ベネディクト:「お金がすべてじゃないのよ、ジェット」
ジェット:「稼いだらそうじゃない」

現金に体を張れ The Killing

なんだこの邦題は? 現金=げんなま、と読むらしい
おカネはどんどん電子化して減っていくんだろうなあ現ナマは

始めは、キューブリックさんにしてはやけに人間臭いドラマだな、と思ったが
テンポが良くスリルいっぱいの、かなりのエンタメ作だった

やはり細部までとことんこだわって作りこんである

主演の男性陣が大柄なタフガイ揃い 現在のジャニーズ系などとは対極

成功失敗は別として、皆で一つの目的のために力を合わせるのは素晴らしいと思った、たとえそれが犯罪でも・・・

10/10

十戒 The Ten Commandments

長すぎる超大作

ディズニー風のカラフルなセットや衣装で
聖書ネタらしい大げさな雰囲気

ドライな砂漠の風景にウェットなオーケストラ音楽
日本の仏教のようにオリジナルとは完全に別物らしい

特撮がかなりすごい
デジタルでは出せないコクのある濃さ

7/10

紀元前13世紀の設定

エキストラが14000人以上、撮影に使われた動物は15000匹以上

実際にエジプトで撮影されたのは全体の5%以下

モーゼの母を演じた女優はチャールトン・ヘストンより年下

捜索者 The Searchers

監督:ジョン・フォード
音楽:マックス・スタイナー

ジョン・ウェインが、今や完全に過去の遺物になった
「男らしい男」を自然体で演じ、それがピッタリはまっている

クリント・イーストウッドが見せた「一匹狼」のクールな美学に対し、
ジョン・ウェインは「みんなの兄貴、頼れるリーダー」の理想を体現していた

ネイティヴアメリカン(インディアン)との関係で、今はもう
この手の作品をおおっぴらに賞賛するのは、少なくともアメリカでは、難しそうだ

6/10

ボディ・スナッチャー/恐怖の街 Invasion of the Body Snatchers

SFやホラーとしては大したことないが、’50年代古き良きアメリカのおしゃれな雰囲気がたまらない

紳士淑女の明るく豊かな世界なだけに、対照的に不気味さが強調され地味なモノクロ映像でも良く映える

主役カップルも確かな美男美女で行動がいちいち絵になる

濃い目のオーケストラ音楽も匠の技で盛り上げていた

8/10

Disneyland Dream

当時オープンしたばかりのディズニーランドへのツアーを懸賞で当てた一家の
ドキュメンタリー

二度と帰らぬ古き良き時代のノスタルジックな映像
例のネズミやアヒルは登場せず

6/10

赤い風船 Le ballon rouge

今では白々しくて出来そうもない心温まる短編

日本人が憧れていた頃の、移民が見当たらず白人天国のパリ
当時の風景が名画の実写版のようで素敵

デジタルではなくリアルに飛ばす風船が渋い街並みに良く映えて美しい

話はいかにも大人が構成した子供の世界でわざとらしいが、
約30分で終わるので鼻につかなかった

8/10

ビルマの竪琴

音楽:伊福部昭 

ファンタジー風戦争悲劇

あまりキャラを立てないドキュメンタリー調の冷たい作風

演技が多少クサかったり、集団の場面で順番にセリフを言うのがコント風で不自然だったり、市川崑監督はあまり凝る人じゃなかったらしい 

音楽では、戦場では油断しそうなまろやかな竪琴の響きももちろん良かったが、男声合唱の「荒城の月」が重厚で荘厳な響きで感動した

7/10 

狂った果実

原作、脚本:石原慎太郎
主演:石原裕次郎、津川雅彦、北原美枝(恋の三角関係) 

湘南の海でヨット、水上スキー、モーターボート、夜はオープンカーでクラブへ繰り出す
1950年代にこれは、セレブ並みのかなり恵まれた環境のお坊ちゃま達の青春
それだけにあまり狂っておらず、モノクロながらも明るく朗らか
 
戦後の日本らしくとことんアメリカかぶれ、という点では果実というよりプラスチックな食品サンプル
 
話はいわゆる「痴情のもつれ」だが、ドロドロ過ぎず乾いていて、展開も自然で、ラストもかなりインパクトがあって印象深かった
 

8/10

赤線地帯

A Rua da Vergonha (1956), de Kenji Mizoguchi - ative as legendas - YouTube

売春宿の売春婦たちの人間模様

溝口健二監督最期の作らしい

完成度は高いが、テーマがテーマだけに、京マチ子さんら華やかな当時のトップ女優たちが 演じていても、鬱々としたエピソードばかりで気が滅入ってくる😯

黛敏郎の音楽🎵がゲゲゲの鬼太郎風で妙にとぼけていて、それだけが救い

⭐7/10

音楽

ブリリアント・コーナーズ Brilliant Corners

Thelonious Monk - Bemsha Swing - YouTube

Thelonious Monk - I Surrender, Dear - YouTube

この人のピアノはタッチが硬く、強弱も唐突でいまいち魅力がわからない
それよりもバックのベース、ドラムの演奏が素晴らしい

ジャケットのセンスが1950年代にしては新しい、と思う

ビー・バップ・ア・ルーラ Be-Bop-A-Lula

「・・・ハイスクール」「カウボーイ・・・」などの元祖か

音数の少なさ、風呂場にいるような濃いエコーに当時の意識高い系な尖ったセンスを感じる

ハートブレイク・ホテル Heartbreak Hotel

間をいかした構成
セクシーな低音ボーカル
ピアノ・ソロ、最後のコードがシブい

ブルー・スエード・シューズ Blue Suede Shoes

「俺のスエード靴を踏むなよ。」・・・確かにスエードはおしゃれだ、しかも青色は超カッコよさそうでこう言いたくなるのもわかる

村上春樹の短編に「ブルー・スエード・シューズ」というのがある

Please, Please, Please

「プリーズ、お願い、頼む」とひたすら連呼し「求めよ、さらば与えられん」で大ヒット

Blueberry Hill

日本の昔の「文部省唱歌」のようにきっちりした構成

Smokestack Lightning

歌っている人はハウリン・ウルフというらしいが、確かにオオカミのような迫力がある

黒人もすっかりクールになって、このような熱い、特濃ブルースは完全に絶滅したか

ロール・オーバー・ベートーヴェン Roll Over Beethoven

「ベートーベンをぶっとばせ」という邦題もあった

ビートルズのカヴァーを先に聞いた

弦の振動、鳴りが直に感じられるようなギター・サウンドが爽快
滑舌よく、力強いボーカルが痛快
日常的題材の自然体な歌詞が愉快

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