1954

映画

道 La strada

裏窓 Rear Window

監督:アルフレッド・ヒッチコック

ジェームズ・スチュアート
グレース・ケリー

そそられる舞台、状況設定からの着実なる進行
巧みに煽られるスリル、クライマックスまで離さないサスペンス

…なのだがいくら暇でも「覗き」はやっぱりアレかな、しかも双眼鏡で…

⭐6/10

麗しのサブリナ Sabrina

オードリー・ヘプバーンはさすがに時を超えた魅力 モノクロなのが惜しい

そんな彼女(当時24歳)をとことん引き立たせるためか、恋のトライアングルの相手二人がいい年のオジサン(ウィリアム・ホールデン(当時35歳)、ハンフリー・ボガート(当時53歳))

この二人の声が似ていて区別しにくいのも惜しい

おまけにボギーは体調でも悪かったのか、ラブコメなのに目つきが険しい

しかし全体的な完成度は高く、シャンソンの「ばら色🌹の人生」が絶妙にハマる、今では死に絶えた古き良き洒落乙ハリウッド

⭐6/10 

デザイナーのジバンシィの出世作

波止場 On the Waterfront

監督:エリア・カザン
音楽:レナード・バーンスタイン

根性、正義感、男らしさ・・・が、まだ鼻で笑われなかった時代

「訴訟」ではなく「殴り合い」だった時代

無愛想で、不器用で、口下手だけど、熱いハートを持った頼れる兄貴がいた、あの・・・「波止場」

⭐6/10

大砂塵 Johnny Guitar

なんだこの邦題は?

原題の男「ジョニー・ギター(スターリング・ヘイドン)」は、少しヌボーとしてて、余りかっこよくない
ヒロイン(ジョーン・クローフォード)のほうが毅然としていて男らしい女

「この世に本当の男が必要とするものは二つしかない。一杯のコーヒーと、一服の煙草だ。」
というキザったらしいセリフをジョニーが言う

A Time Out of War

南北戦争休戦時の詩情
川を挟んだ両軍兵士のつかの間の触れ合い

モノクロながら美しい映像、端正な画面構成
穏やかながらスパイスの効いたストーリー
しみじみと感動させられる実に良く出来た短編

⭐8/10

La strada

美女と野獣、ではなく莫迦と野獣
後のフェリーニのようなきらびやかさ、性的要素がなく純文学的
まだ猫を被っているというか、素直にいい話だった

⭐5/10

フランシスコ (ローマ教皇)お気に入りの映画

ザンパノが地球、ジェルソミーナが水、芸人が空気を表す

動物農場 Animal Farm

ディズニー風の明るい夢いっぱいアニメで地獄のように重たい話(原作:ジョージ・オーウェル)
これですでに英国風ブラックジョークが効いている

フルオーケストラの音楽が大げさで濃い

描写に使われた動物たちがかわいそうになってくるほどの凄まじく単純な擬人化

⭐7/10

The House in the Middle

核爆弾から家を守るために掃除をし外壁を塗装しましょう、という啓蒙映画
だがもしこんな風に核爆発が身近に起こる状況じゃ、その後のサバイバルが大変そうだ

’50年代のアメリカは本当に「古き良き時代」に見える

「マルコム in the Middle」 というテレビ番組があったっけ

⭐6/10

地の塩 Salt of the Earth

Salt of the Earth (1954) (HD) (CC) - YouTube

Salt of the Earth (1954) | Full Movie | Juan Chacón, Rosaura Revueltas, Will Geer - YouTube 

鉱山でのメキシコ人労働者たちのストライキを描いたドラマ
 
権利問題、人種差別、性差別など重たいテーマだが
前向きなエネルギーが感じられる 音楽も元気だ

主演の人がメキシコ版ハンフリー・ボガート風 

⭐7/10
中国で1950年から1979年の間で唯一公開されたアメリカ映画

著作権は1982年に切れてパブリック・ドメイン

七人の侍

志村喬(リーダー)
稲葉義男(ナンバー2)
三船敏郎(無鉄砲)
木村功(見習い)
加東大介(便利屋)
千秋実(ムードメイカー)
宮口精二(実力派)

名作中の名作 

「十一人の侍」というのもあるらしい

⭐10/10

静岡の田方に村のセットを作った

宮本武蔵

Miyamoto Musashi: (1954) Samurai 1 : Chile : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

原作:吉川英治

三部作の第一作らしい

さすがの三船敏郎も、まだ「たけやん」と呼ばれていた頃の武蔵を演じるには貫禄があり過ぎた  ドスの効いた声でのヤケクソ気味の熱演がコントに近い

相棒の三国連太郎も「またやん」と呼ばれるにはスタイル良しの色男過ぎる

けなげなお通役の八千草薫さんもこの時代には華やか過ぎて戦国ミュージカルの風情

坊主の沢庵のセリフ棒読みも不気味

…などなどミスキャストっぽいところはあったが全体的な風格は素晴らしく続きが見たくなった

⭐8/10

二十四の瞳

監督:木下恵介
原作:壺井栄

高峰秀子(新任女教師)
笠智衆(教師)

昭和初期、瀬戸内海の小豆島の小学校にやってきた若い女教師と
12人の生徒達との様々なふれあい
やがて戦争が始まり、教え子達にも不幸が訪れ・・・という原作を映画化したドラマ

更衣室を盗撮するワイセツ教師や払えるはずの給食費をケチる非常識な親、などは
もちろん全く出てこない、皆が精一杯生きていた時代の厳しくも美しい叙事詩

スコットランド民謡や文部省唱歌などを多く取り入れた音楽が、
ほのぼのとして、温かい雰囲気を出している

同じ年の作品「七人の待」を考えると、
いかに当時の黒澤が貪欲で過激だったかと、改めて思い知らされた
木下恵介=お茶漬け、黒澤明=激辛カレー、という感じ

教師役で出演の笠智衆は、やっぱりあの口調だった

⭐8/10

近松物語

溝口健二 近松門左衛門
和の魅力 

恋愛もので悲劇なのに、他人事のように礼儀正しい

香川京子さんはいまだ現役であらせられる

「ちかえもん」 とかいうドラマがある

⭐7/10

山椒大夫

Sansho the Bailiff (1954) Kenji Mizoguchi | Ogai Mori | Kinuyo Tanaka | Kyōko Kagawa - YouTube

監督:溝口健二

原作:森鴎外

モノクロだが幻想的な平安ジャパネスクど真ん中な美しさ  当時としてはかなりの大作らしい

話はどうにも救いがたいほど重く暗い タイトルの山椒大夫も権力の犬のほんの一匹に過ぎずあまりしっくりこない

演技が時代劇にありがちなカタさ 身分が高いとはいえ、あまりにも呑気な礼儀正しさが他人事風で不自然

成年以降の厨子王役の人の声が高く、感情的な場面だとキャンキャン吠える犬のようで少し情けない感じだったのも惜しい

⭐6/10

音楽

"Earth Angel (Will You Be Mine)"

日本の昭和のムード歌謡のパクリ元か

オ~、ワ~、いうハモリをバックに
「君は地上の天使」というド直球な歌詞のラブソング

シュブーン "Sh-Boom"

ショボーン(´・ω・`)と正反対の陽気な曲調
'50年代のこういうエンタメはもっと評価されてもいいと思う

Mr. Sandman

デジタルで手軽に修正できなかったであろう時代の
匠の技コーラス

多少人工的過ぎるというか、楽譜に必死に合わせる感じで固すぎる気も

この系統も死に絶えたか

"Hoochie Coochie Man"

間を生かした立体的なリズムがかっこいい

歌詞は昔のブルースによくあるタイプだ

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