1973

映画

地獄の逃避行 Badlands
ペーパー・ムーン Paper Moon
ミーン・ストリート Mean Streets
エクソシスト The Exorcist
アメリカン・グラフィティ American Graffiti
スティング The Sting
オーソン・ウェルズの フェイク F for Fake
ウィッカーマン The Wicker Man
映画に愛をこめて アメリカの夜 La nuit américaine
トゥキ・ブゥキ / ハイエナの旅 Touki Bouki
ミツバチのささやき El espíritu de la colmena
ホーリー・マウンテン La montaña sagrada
ファンタスティック・プラネット La planète sauvage
修羅雪姫
哀しみのベラドンナ

地獄の逃避行 Badlands

監督、製作、脚本:テレンス・マリック
逃避行カップル:マーティン・シーン、シシー・スペイセク

天国の様に美しい映像、音楽に地獄のように救いのない内容
実話が元らしいが、犯罪賛美とも捉えられかねない無責任な詩的さ
マーティン・シーンのような美形が演じても胸糞悪さを中和できない
いかんともしがたい人間の屑
年齢不詳的なルックスのアルビノ彼女も、感情のない爬虫類のようにも見え
不気味で、まったく共感できなかった

⭐6/10

ペーパー・ムーン Paper Moon

大人の男と少女の大恐慌下モノクロロードムービー
 
今では誤解がありそうで難しそうなペアだが、演じてるのが本当の親子(ライアン・オニール&テイタム・オニール)というのが保険というか救いか
 
心温まる話のはずだが、メインの活動が詐欺で女の子も積極的に協力しちゃうのに
モヤモヤする 煙草を吸ったり、泣き落とししたり可愛いルックスなのにかわいくない行動
 
価値観の変化もあるだろうが、子供を使っても無条件に感動というわけにはいかんなあと思った

⭐6/10

ミーン・ストリート Mean Streets

監督・脚本:マーティン・スコセッシ

ニューヨークのイタリア系コミュニティにおける男達の生き様。「ミーン・ストリート」の日常

数年後に名作「タクシー・ドライバー」を創り出すトリオ(スコセッシ、デニーロ、カイテル)
によるものだが、この作品には、より70年代の暗さ、ダルい雰囲気が漂っており
しかもどこか素人くさく、生々しい

ヴァン・ヘイレンにMean Street という曲がある

⭐3/10

エクソシスト The Exorcist

悪魔に憑依された少女(リンダ・ブレア)の瞳は獣のようになり、
声までが野太く別人のように変わってしまう
その声でワイセツ極まりないことを言いまくり、叫びまくる
あげくに十字架を使ってイケナイ事をする・・・など乗り移った悪魔は
下ネタに走りすぎる気がしたが、日本の「恨み、怨み」とは一味違った、むき出しの
ストレートな攻撃性に、文化の違いを実感した

⭐6/10

アメリカン・グラフィティ American Graffiti

こういう青春を過ごさなければいけない、という強迫観念 影響力
だがこれぞアメリカ・・・車、女の子、音楽、映画、ファッション、どれも抵抗し難い魅力のあるものばかり

「スター・ウォーズ」と同監督だったとはビックリ

⭐1/10

スティング The Sting

ロバート・レッドフォード(ケリー)
ポール・ニューマン(ショウ)

「明日に向かって撃て」と同じ監督、主演の同系統の作品
向こうはいわゆる西部劇だったが、こちらはもう少し現代寄りだった

名曲「エンターテイナー」

オーソン・ウェルズの フェイク F for Fake

アートの贋作、詐欺ドキュメンタリー
 
マジになったら負け、的な人の世の虚しさ儚さ 熟し過ぎて後は腐るのみだった欧州文化の黄昏
 
全身黒ずくめのオーソン・ウェルズの雰囲気、貫禄がすごい 
渋い語りに引き込まれる

音楽がミシェル・ルグランのジャズでおしゃれ
 
⭐7/10

ウィッカーマン The Wicker Man

The Wicker Man (1973)

スコットランドの乾いた田園風景が素敵 
 
英国情緒が強く、ビートルズの「ホワイト・アルバム」や「マジカル・ミステリー・ツアー」
の頃を連想させる音楽、雰囲気
 ミステリーとしては映像が全く日常的なのでスリルは少なく落ち着いている

その分ラストのインパクトは大きく、人々の狂信ぶりが強調されてホラーだった

⭐7/10

映画に愛をこめて アメリカの夜 La nuit américaine

監督・製作・脚本:フランソワ・トリュフォー

なかなか賑やかで楽しかった

現在の映画界を舞台にしたら
かなり冷たいビジネス感が漂うのだろうけど、
この頃にはまだ、よい意味でのサークルのノリがあって
温かみが感じられた

⭐5/10

数週間に渡る話でもクルーの服装が変わらない

トゥキ・ブゥキ / ハイエナの旅 Touki Bouki

アフリカの健康さが眩しい
ゆったりと身にまとうカラフルな民族衣装が素敵

一方、スタイルの良すぎる主役カップルの着こなす
欧米ファッションにも感動
男は実写のルパン三世のようにスリムでしなやか
女もシャープで中性的だがお尻プリップリで色っぽい

ストーリー的なものは一応あるが、
映像がすごすぎてどうでもよくなる

日本語の情報が見つからない

タイトルは「ハイエナの旅」というウォロフ語らしい

⭐8/10

ミツバチのささやき El espíritu de la colmena


  • 劇中、合計1000ちょうどのショットがある。500ちょうどが室内で、500ちょうどが屋外。
  • 撮影監督の Luis Cuadrado は、この映画の制作時盲目になりかけだった。彼はやがて完全に盲目になり、 1980年に自殺した。
  • 家族全員が1コマに入るショットは全編ひとつもない:食卓の場面でさえ役者たちは別々に見せられる。
  • 井戸のとなりのさびれた建物は、実は放棄された羊小屋だった。


クラシックな絵画のような美しさ
しっとりしたアナログ映像の魅力 たそがれのスペイン情緒
子供の領分

原題は直訳だと「ミツバチの巣の魂」 

⭐7/10

ホーリー・マウンテン La montaña sagrada

監督、脚本、音楽、出演:アレハンドロ・ホドロフスキー

前衛、実験的、社会風刺的作風

独善的にやりたい放題だが、
デジタルではなく実際の撮影なのでありがたみがある
ロケにセットに小道具大道具、動物、役者たち、アイデアなど
とにかく豊富で飽きさせない

生々しい描写も行き過ぎず
基本的に明るく前向き

オチだけは反則に近い

⭐7/10

ファンタスティック・プラネット La planète sauvage

 シュールでアーティスティックだが神経質で明るくはない絵柄 
楳図かずおや伊藤潤二の画風を思い出す 
 
アニメは少しぎこちなくて固い
 
フランスらしいかすかに印象派風の音楽
内容も仏蘭西らしく文学的でムズカシイ 

⭐7/10

...No Lies

手持ちカメラの男性が女性を撮影しつつおしゃべり
女性は最近レイプされたという 男性はいじわるな質問を
しつつ会話を盛り上げるだが、だんだん感情が高ぶってきて・・・
というドキュメンタリー風の映像

本当の告白にしか見えないが、演技なのだろうか?だとしたらすごい女優だ

⭐4/10

Frank Film

サイケデリック
わけわからないコラージュ
ポケモンショックを起こしそうなめまぐるしさ、情報過多で直視し続けるのが難しい
おもてなしの心まったくなし
アイデアは応用がききそう

⭐3/10

修羅雪姫

昭和らしい重苦しいムード

着物がよく似合う梶芽衣子さんの緊張感のある眼差し
殺陣はおっとり気味

児童ポルノとされそうな危ないシーンが一瞬

白雪姫の対極にありそうな悲壮感
だが全体に通底する精神は間違いなくエンタメ、楽しい娯楽

釈由美子主演で続編

⭐7/10

哀しみのベラドンナ

製作:虫プロダクション

イメージ豊かな淡い色彩のエロティック耽美アニメ

かわいい点が皆無のあまり日本人受けしなそうなヨーロピアンなデザイン
確かに哀しいが、キャラの女性像も今ではあまり支持されなそう

音楽が個性がありながらも節度があっていい

⭐7/10

音楽

ヘッド・ハンターズ Head Hunters

Chameleon

ビョンビョンとグルービーなシンセベース、ミョンミョンいいながらドレミの枠を遥かに超えたシンセソロがすごい
中間部はカメレオンのように一転し、南の島のそよ風のようなシンセストリングスに、
この上なく軽やかなエレキピアノのソロも凄い
その他全部スゴイ

Watermelon Man

オリジナルのテーマが控えめに鳴る
色気たっぷりのファンキーさ加減

ハービーさんはいまだ現役で、小難しそうな作品をリリースし続けておられる

バーニン Burnin'

「レゲエ風」というのはよく聞く(ウンチャッチャ、ウンチャッ・・・)けど、本家のはあまり馴染みがなかった

ドレッドヘア、ドラッグ、南国ジャマイカ・・・などで常夏の乾いたイメージがあったが、意外とそうでもなかった
日本の高湿度の真夏に聞いたら、余計に蒸し暑くなりそう

中心人物のボブ・マーリーは早くに死んでしまい、伝説だけが残った

ジャマイカは1962年に独立しているらしいが、これは英語
最初に認めてカバーで紹介したのもイギリスのエリック・クラプトン、などを考えると
やっぱり白人は強い

やさしく歌って "Killing Me Softly with His Song"

日本の昭和の歌謡曲やポップスのパクリ元のひとつ
メロディ、アレンジ…そっくりのものがたくさんありそう

こういう短調そのものの丸ごと哀愁な曲の魅力がさっぱりわからない
ヒップホップのようにバックで流すだけか、ボサノバのように
ぼかさないと、鬱屈して感じられるばかりだ

Behind Closed Doors

「閉じた扉の裏で」?…このスケベ!とタイトルだけでゲスの極みな勘ぐりをしてしまったが、

実際ラブソングで、それに近い内容だった 

いい曲いい歌詞いい歌唱、完璧なカントリーだ

同タイトルの本、映画、ドラマなどがある

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