1971

映画

激突!Duel
フレンチ・コネクション The French Connection
ダーティハリー Dirty Harry
黒いジャガー Shaft
ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun
わらの犬 Straw Dogs
時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange
夢のチョコレート工場 Willy Wonka & the Chocolate Factory
ギャンブラー McCabe & Mrs. Miller
THX 1138
書を捨てよ町へ出よう
どうぶつ宝島

激突! Duel

昔は、アクションなどの娯楽物はB級として低く見られ、 お堅い評論家などからは無視されていたらしい

その状況が「ジョーズ」「スター・ウオーズ」「インディ・ジョーンズ」など スピルバーグやジョージ・ルーカスの作品で180度変わる

そんな動きの最初のきっかけとなった作品

⭐7/10

フレンチ・コネクション The French Connection

ジーン・ハックマン=メイクなしのドナルド・マクドナルド?

宇宙刑事ではないシャイダー

街並みも道行く人のファッションも、全体的な雰囲気が暗い

ドラマはイマイチ、事件実録風だがフィクションで、警察側も犯人側も中途半端な人物描写 

音楽も個性的だがいまいち

アクションシーンは迫力があり、ニューヨークの市街地で電車、車が爆走する場面はかなりGTAしていた

同じ名前のブランドがあった 通称 FCUK

⭐7/10

ヘロインの純度を確かめる場面は本物を使用

電車の運転士、車掌も本物?本職

ダーティハリー Dirty Harry

ポッターやスタイルズではなくキャラハン

当時のサンフランシスコの街並みが美しい

役者たちが今より男性ホルモンが2,3倍ありそうで,毛穴から湧き出るエネルギーを感じる

クリントさんはひたすらかっこいい ルパン三世風のサントラもカッコイイ

ダーティーなのは犯人で、本人はそれほどでもない 規範に対してはかなりクリーン

⭐7/10

黒いジャガー Shaft

なんだこの邦題は?

サントラ、テーマ曲が異様にカッコいい

当時のニューヨークの街並みも渋い

シャフト本人が今ひとつ…

白人がペンを持ち上げて「お前はそんなに黒くない」と言うと、
シャフトはカップを持ち上げて「お前もそんなに白くないぜ、ベイビー」と返す

リメイクされた

⭐3/10

ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun

Johnny Got His Gun 1971 - YouTube

作者が逮捕、投獄までされた、アメリカでは珍しいほどにストレートな反戦映画

第一次世界大戦で視覚、聴覚をなくし口もきけず両腕両足切断の寝たきり状態になってしまった青年兵士

悲惨極まりない話だが、描写は上品で淡々 詩的なところさえもあって不快感はない

結論が最初に出てるので後からズドンと落とされるショックもない 

唯々圧倒され戦争反対、恒久平和を祈るのみ

⭐8/10

わらの犬 Straw Dogs

監督、脚本:サム・ペキンパー
主演:ダスティン・ホフマン

イングランドの牧歌的な田園風景がいい

一方ドラマは愉快な内容ではないがスリル、サスペンスがあって
展開も良く出来てて充実している

マイリー・サイラスに似たスーザン・ジョージが21世紀にも通用しそうなかわいさ

情緒がなく抽象的な音楽も内容に合ってて良かった

⭐7/10

時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange

監督:スタンリー・キューブリック

巨匠の問題作
簡単に言うと「不良少年更正記」だが、やはりこの監督
だけに端正ながらも一筋縄では行かない映像体験

濃厚な70年代風味 サイケデリック(華やかなレコード店など)な色彩

作業服のようなユニフォームに長髪、黒い帽子(ハット)、付けまつ毛・・・どこか
変身する前の戦隊ヒーローもののようで、実際、ライバルグループとの
乱闘シーンはそのもの

初期のアナログシンセの図太い音色のサントラが今では逆に新鮮
「第九」のシンセ版もポップでかわいらしい

無機質な部屋でスパゲティにワインがおいしそう

⭐7/10

夢のチョコレート工場 Willy Wonka & the Chocolate Factory

今のデジタル映像と比べて暗めで地味だがアナログなりの温かさ

工場は夢というより現実
カラフルで手が込んでいるがいかにもセット
テーマパークのアトラクションそのもの

紫ジャケットにシルクハットというウィリー・ワンカ
もコスプレ丸出し、ジョジョっぽい

全体としては明るく軽い豪華なコント

7/10

ギャンブラー McCabe & Mrs. Miller

McCabe & Mrs. Miller / 1971/Robert Altman - YouTube

鉱山の町で手を組むギャンブラーと売春婦

西部劇としては、衣装やセットなど本格的だが、淡い画面に淡々とした進行でひたすら地味

まったりとした詩情はあるので、はまって浸れれば充実した鑑賞体験になるかもしれないが、そうでなければ退屈なだけなので、今ならゲームの「レッド・デッド・リデンプション」でもやったほうが良さそう

⭐7/10

THX 1138

最初にスタッフロール 上から下に流れる

画面が白い 服も白で男女とも清潔そうな短髪 
ほぼ全編涼しげな屋内 メタリックで硬質な未来都市空間

ジョージ・ルーカスのSFとしてはスターウォーズよりも好みだ

ひたすら地味に進行し、最後の最後でいきなり盛り上がるドライブシーン(建造中のサンフランシスコ・ベイエリア高速鉄道で撮影)、 バイク、車、両者ともかっこよすぎてしびれた

バッハ:マタイ受難曲

⭐8/10

書を捨てよ町へ出よう

文学、前衛などの悪い部分を凝縮

昭和の侘しさ、貧しさ、黒歴史

丸山(三輪)明宏が若い

町に出ても相手にされなかった様子

⭐3/10

どうぶつ宝島

アイデア構成、原画:宮崎駿

カラフルでキャラはかわいいが
なんとなく不穏で暗い

アニメもまだぎこちなく固い
テンポやタイミング、ノリ、間がイマイチ

しかし後半の海賊船バトルからはすでに宮崎駿ワールド
で生き生きとしてくる

⭐6/10

Hapax Legomena I: Nostalgia


静止画の写真が焼かれるうちに煙や炎とともに動画になってゆく
同時に解説される思い出は意味がなくなり現在の現実へ、というプロセスが面白い

⭐7/10

音楽

天国への階段 Stairway to Heaven

前半の切ない部分はフォークなどで日本人でもパクれたが、
後半の盛り上がる部分は白人にしかできない究極のロックか

ジミヘンなどもそうだが当時のウェットなサウンドに不安にさせられる

いとしのレイラ Layla

余計なお世話な邦題

演歌みたいなギターのイントロから歌に入るときの転調でズッコケる
後半のピアノがまるっきり別の曲で謎だ

"Changes"

♪チェ、チェ、チェ、チェ、チェインジズ♪

コンピューター登場以前の1970年代の混沌
過去の様々な要素を強引につなぎ合わせ、
ついでに変拍子も取り入れ無理やりでっちあげた感

だがやっぱり歌はうまい
力強い発声に発音も確かで、少し鼻がつまった感じの高音も色っぽい
さすがだ

エイント・ノー・サンシャイン Ain't No Sunshine

Ain't というのもイマイチわからないがよく見かけるなあ
am is are などの否定にすべて使えるのだろうか?

途中の I know I know...の連呼にものすごい肺活量を感じる
やはり歌のうまさはそれに裏打ちされたものか

そんな体力の持ち主の静かな諦念のような歌詞が胸に沁みる
大人のラブソング

レッツ・ステイ・トゥゲザー "Let's Stay Together"

選挙演説でもここまでは言わないだろう、と思えるような直球なクサい歌詞
しかし、サウンドは従来のソウルなどと同様な編成ながらクールでおしゃれ
独特の歌い方も確かにソウル

ホワッツ・ゴーイン・オン What's Going On

都会の夜、的なオシャレでアンニュイなサウンド

’80年代のコンピュータ登場以前の
’70年代のこの種の停滞した重さ、暗さが心地いい

メッセージ性のある歌詞も
「どうなってんの?」とマイルドに諭す

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